漫画好きの読書感想文(仮)

読書感想文、書かないと罰金されます。

コンビニ人間に見る、普通や常識との付き合い方

こんにちは。

空気は読めるが、読んだ上で読まない行動をするぐっちです。

 

お約束な展開、

ダチョウ倶楽部のような伝統芸能はしっかり乗ると面白いですが

暗黙の了解だとか

意味の分からない常識に付き合っていくのは大変ですからね。

 

という訳で今回は2016年に芥川賞を受賞した

コンビニ人間」の感想になります。

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普通や常識から解き放たれた人の感性、行動はとても面白い。

一般的な幸せと個人の幸せは別物、というのは当たり前ですが

 

普段から自分が人に

自分の常識を押し付けてしまっていることを

痛感してしまいます。

 

それではどうぞ。

 

感想

 

簡単にあらすじを言うと

 

世間とは感覚が違う超合理的サイコパスの女性がコンビニでバイトする話です。

 

あ、猟奇的な話ではないです。

 

主人公の女性は

人が普通に持つべきだと世間で言われている感想を抱けなかったり

目的遂行のためには人を傷つけたりすることをいとわなかったりする

 

良い意味で言えば合理的、

悪く言えばサイコパスな性格、というより性質を持っています。


過去に男子の喧嘩を止めるためにスコップで頭をなぐりつけたり、

死んでいる小鳥を見て泣いている友達の前で

 

「その鳥、食べよう」

 

と言ったりするエピソードが彼女の異常性を物語るのですが、

感情や世間体や様々なしがらみを抜きにすると

絶対的に間違った行動ではないのが面白いです。

 

小鳥の話でも

飼っている訳でもない小鳥の死については泣いてお墓を作るのに

供えるためにちぎり、殺される草花については何も思わないのかと感想を抱いたり。

 

命の価値を教えるために

お墓を作り、供養するのなら

考えさせられる話ではあります。

 

 

この女性は

恋愛もせず、就職もせず、ただ熱心にコンビニのバイトを18年。

 

普通の人とは違い、世間に馴染めない、馴染む方法が分からない彼女が

合理的な環境であるコンビニに完全に適応して

初めて社会に溶け込めるようになるのは面白いところ。


しかし、

誰よりも声をだし、

お客さまのために働き、

コンビニを愛した結果、

世間からは異常というレッテルを貼られてしまうのは世知辛いですね。

 

結局、普遍的な幸せってのは存在してなくて

個人がどう感じているかが大切なんだと思います。

 

周りから見てどうとかではなく、

今、自分で自分のことが幸せだと認識してるなら

誰になんと言われても幸せなのではないでしょうか。

 

自分の「常識」で幸せに生きるのはいいけど、

その「常識」で人を殴ったり、

型にはめたりするのはナンセンスなのかもしれません。

 

自分の常識で人をはからずに、色々な価値観を認めることが大切ですね。

 

 

「あるべき姿」というのは本当にあるんでしょうか?

人間を平均化するための口実に過ぎないとは思いませんか?

 

世間の枠よりも

自分自身の感性で「自分自身の幸せな姿」を模索したいものです。

 

以上です。