革命のファンファーレ 感想
革命のファンファーレは鳴った。
インターネットにより距離や時間の壁が取り除かれ、情報革命が時代を直撃した。
情報が世の中の常識をぶち壊し、高度経済成長時代から現代まで適用できなかった仕事は淘汰される。
現にストレスのかかる単調作業などはどんどんロボットが肩代わりしている現状がある。
安定が絶対大切?
世の中の変革期、安定的に給料がもらえるのは魅力的だが、本当に必要なことはやりたくもない仕事を安定的な生活のためという意味の分からない理由でやり続けることなのか?
それとも現在自分の置かれている現状を自分なりに考え、色々な人や書籍から情報を得て、自分なりに結論を出すことなのか?
大量の情報がインターネット内に溢れかえるこの時代。
ぬるま湯の中で不平不満や愚痴を言い続け、偽物の安定に人生を捧げることに疑問を感じている皆さん。
この本はお金の常識、世の中の常識、人の心の常識全てを覆す。
まさに革命。
革命のファンファーレは鳴った。
こんばんは、革命家です。イエイイエイ!
今回はキングコング西野亮廣さんの書籍「革命のファンファーレ」の感想になります。
芸人ということもあって文章を読むだけでも面白いのですが、何より内容がすごく濃い。
叩かれながらも思考と行動をやり続け、結果を出し続けている著者だからこその説得力。
「やりたいことがあるけど色々なしがらみがあってできない」という人にとってとてもいいアドバイスと刺激になる本です。
西野 亮廣は、日本の絵本作家、お笑いタレント。
お笑い芸人としては本名の西野 亮廣名義で、漫才コンビキングコングのツッコミとネタ作りを担当。相方は梶原雄太。絵本作家としてのペンネームはにしの あきひろ。
1999年、梶原雄太とキングコング結成。主に漫才をしている。
2016年6月28日、芸人引退を宣言。以降は肩書きを絵本作家とした。「肩書だけの問題」として芸能活動からの引退ではないとしており、 漫才師としても劇場に出演を続けている。(wikiより)
他にも小説家、俳優、パインアメ匿名配布主任など幅広く活躍し、巷では炎上芸人としても有名ですね。
昔はテレビ番組「はねるのトびら」や「横丁へよーこちょ」などよく見ていたのですが、現在はテレビから絵本業界や出版業界、その他様々なビジネスを手がける文字通りマルチタレントとして活躍されております。
今回はそんなキングコング西野さんの「革命のファンファーレ」のお話になります。
お金=時間やストレスの対価、というのは古い。
はじめに、お金って何かご存知ですか?
はい、そうですね。「お金=信用を顕在化(数値化)させたもの」ですね。
以前、堀江貴文さんの著書「これからを稼ごう」にも書いてあった新常識と言われるものですね。
お金=信用の顕在化(数値化)と言われますが、厳密にいうとお金と信用の関係は等価ではありません。
なぜなら、「お金は信用に変えられないが、信用はお金に変えられるから」です。
いくらお金を払っても信用は買えないですよね?
「100万円あげるから僕を信じてね?ね?」と言われても多くの人は信用なんてできないですよね。
しかし、逆ならどうでしょうか。
信用でお金は買えますか?
はい、買えます。
身近な例で言えばメルマガなんかは情報ですがある意味では信用を売っていますよね。
最近流行りのもので言えばクラウドファンディング。
お金=信用を数値化したものであり、クラウドファンディングは信用をお金に変換する装置です。
クラウドファンディングは有名人にお金が集まる訳ではなく、信用を多く持っている人にお金が集まるシステムです。
技術や商品があっても資金がない、金策ができずに才能が埋もれていくのは寂しいものですし、未来がないものです。
信用を貯めて必要な時にお金化できるこの時代。
「お金持ち」か「信用持ち」、この先勝つのはどちらか明白ではないですか?
空気を読むことや、嘘で塗り固めた好感度に価値はない。
さて、簡単にお金は信用で買えると言いましたが、まず信用ってどうやって稼ぐの?という話。
西野さんが徹底しているのは嘘をつかないこと。
テレビタレントの仕事はスポンサーの手前、自分自身を偽って美味しくないものに「美味しい」と言わなくてはいけなかったり、面白くないものに「面白い」と言わなくてはいけない。
空気を読んで、スポンサーの顔色を伺って、嘘をつくことによって、本当の情報を知っている人からの信用を失っていく。
そう、嘘というものは感情でついている訳ではなく、環境に嘘をつかされているのである。
嘘をつかないということは自分の意思を明確にするということであり、相手が誰でも自分の意思を表明できる環境を作ることで、自分が信用を失うリスクを低くすることができる。
西野さんで言えば嘘をつかなくてもいい環境を自身のオンラインサロンという形で作っています。
テレビで嘘をつかず、自分に正直に行動することでテレビでは干されるが、オンラインサロンでの信用は積み上がっていく。
好感度を元にしたスポンサー収入ではなく、自分の意思を表明することで得る信用からの収入。
環境さえ作ってしまえば、嘘をつくメリットがなくなり、信用を貯め続けることができますね。
人に気に入られるために小さな嘘をつくとどんどん自分に信用がなくなっていきます。
この時代、自分の本当の言葉を紡げる環境をつくって、発信していくことが大切ですね。
ひとつの肩書きにこだわる必要はない。
西野さんは芸人から絵本作家へ肩書きを変えたその翌日にさらに「パインアメ匿名配布主任」に肩書きを変更されたそうです。
その後、あらゆる場所で炎上したそうですが
肩書きを変える程度のことで炎上してしまう世間の風潮が、職業に寿命がやってくる、これからの時代を生きる上で極めて危険。
とこの本の中に綴ってあります。
職業が激しく増えたり減ったりしているこの時代にはカジュアルに肩書きを変える適応力が必要になってきます。
今「会社員」という肩書きしかなければ「会社員」としてしか働けないんでしょうか?
職業が選択できて、世間的に副業が解禁されるところも増えてきています。
今まで当たり前だった一つの会社に一生勤める終身雇用という制度ですが、終身雇用制度なんて現代の奴隷制度とも言われています。
出勤できない、会社が潰れるなど収入の一本化は危険とも言えます。
それがなくても自分の時間を100%会社に捧げるだけで人生の大半を失うことは悲劇でもあります。
一つの肩書きにこだわらずに、面白い肩書きを作って自分を表現していくことは、幸福への近道であり、来るべき未来に適応する訓練でもあります。
私がブログ記事の書き出しに毎回違う名前を書いているのも来るべき未来に向けての訓練です。
会社員で占い師で投資家でweb製作者で意識高い系ブロガーな私に死角はありません!
無料提供することで衰退するか?
知っている方も多いと思いますが、西野さんの絵本、「えんとつ町のプペル」は無料で全ページ読むことができます。
クリエイティブな商品をスーパーの試食みたいな感じで全ページ公開って普通の常識では考えられないことですよね。
しかし、無料公開に踏み切ったことで売り上げは上がり、23万〜24万部で落ち着きかけていた発行部数が一気に31万部に跳ね上がったそうです。
ビジネスモデルとしてはGoogleやYahoo、Facebookなど無料で人に使ってもらうことによって、広告代などで収益を得るものに近いですね。
利益を出さない、ではなくて無料提供しても金の流れを止まらない構造を作ることが大切で、この話で言えばマネタイズのタイミングを後ろにずらすだけになります。
そして、肝なのが絵本を買う人がどういう人かを考えると、小さい子供を持つお母さんが主になります。
お母さんは朝から晩まで忙しくて、使えるお金も少なく、絵本を買うときに絶対にハズわけにはいきません。
そうなると、昔読んで面白かった絵本か、立ち読みして面白かった絵本しか買えなくなる訳ですね。
無料公開したら買ってもらえないというのは絵本にとっては全く当てはまらず、ネタバレしているものにしか反応しないお母さんにとっては無料公開することで買う買わないかのスタートラインにやっと立てるようになるとのこと。
中身が見えないものに人は金を払わない。
人がお金を払うのは確認作業のためだけだと本書で述べてありますが、知らず知らずのうちに自分もそうなっていると感じる時があります。
漫画を買うときにはアマゾンのレビューを確認し、食事をするときには食べログで検索します。
行列のできる店のラーメンを食べて 「うん、レビュー通りの味!」 とか言ってしまいますし、本当に冒険しなくなりました。
あの人が面白いと言ってたから面白いだろう、ネットに書いていたからあの店は美味しいんだろう。 知らぬ間に人生のほとんどを確認作業に使ってるって考えたらなかなか笑えない話ではありますが。
個人的な経験ですが、書店でたまたま「一巻丸々立ち読み可能」と書かれている漫画を見つけたことがあります。
特に探してるものもなかったので暇つぶしがてらに立ち読みすると、面白すぎて立ち読みしながら声を出して笑ってしまいました。
一巻丸々立ち読みし終わってどうしたかって?
もちろん全巻まとめて購入させていただきました。
入り口を無料にすることで、思いがけない出会いをすることもあり、内容の無料公開についてはいい広告になっているなと肌で感じた瞬間でした。
(※ただし、無料全巻公開の違法サイトはダメです。)
体験に紐付けしたお土産として作品を売る。
作品ってどうすれば売れるんでしょうか。
というか現代人は何にお金を使うんでしょうか。
最近よく言われているのはモノ消費からコト消費に変わったと言われています。
インターネットの普及により、一人一人が自分の趣味や興味のあることの情報を得られるようになりました。
昔はステータスの象徴と言えば、家、車、時計など。
今でもそれがステータスだと思っている人もいらっしゃいますが、若者の車離れなどステータスのための買い物をすることが少なくなっている現状があります。
ボーナスで車や高級時計を購入し、家族で食卓を囲んで野球中継かドリフターズを観るというライフスタイルから、一人一人が自分の好きなことに時間を使えるようになってきました。
ものを買わずに満足することができれば、人はお金をものに消費することは減ってきます。
その代わりに何にお金をかけるかというと「ここでしかできない体験」ですよね。
ディズニーランドやUSJなどの遊園地や各地への旅行や工場見学。
インバウンドの爆買いなどでも顕著ですが、ものを大量に購入して国に持って帰るモノ消費から、最近では日本に来て日本でしかできない経験をするコト消費に価値を感じている方が多いそうです。
そして、体験の他には何が売れるのか?
そう「お土産」ですね。
現代ではほとんどの娯楽はスマートフォンで事足りており、スマートフォンでカバーできない娯楽は体験だけと言えます。
そして消費者が買うのは作品ではなく生活必需品です。
しかし、どうしてお土産が売れるんでしょうか?
有名なデザイナーが作ったグッズは中々買わなくても、誰が作ったか分からない変なキャラクターのお土産には財布の紐が緩んでしまった人は多いはずです。
そもそも、お客さんはお金を持っていないのではなく、お金を払うきっかけがないだけ何です。
千円払ってしまったら生活が苦しくなる人なんて滅多にいらっしゃいません。
買ってもらうのに必要なことはお客さん側にメリットをつくる方法や、買った人を喜ばせることを考えること。
そして、おみやげは思い出を残したり、体験を共有するための必需品であると言えます。
直接役には立たなくても見るだけで思い出に浸ったり、思い出話ができるツールです。
ある意味で「生活必需品」なのではないですか?
どうしても、売りたい作品があるなら、体験に紐付けして出口でお土産として売る。
こうするだけで作品は作品としてではなく「生活必需品」として飛ぶように売れるそうです。
最後に
この本は西野亮廣さんの実体験を元に書かれた現代のバイブルであり、最先端の人生の指針であり、我々の背中を押してくれる情報の塊でもあります。
やりたいことがあるがやり方が分からない。
面白い技術はあるのに資金がない。
作品を作って見たが、広告の仕方が分からない。
そんな人にまず読んでほしい一冊であり、そして何よりも常識にとらわれず行動に移してほしい。
この本があなた自身の革命になることを祈ります。
行動しない人間はアホである。行動することに勇気はいらない。必要なのは情報だけ。一歩踏み出すのに必要なのはポジティブシンキングではなく、ロジカルシンキング。