漫画好きの読書感想文(仮)

読書感想文、書かないと罰金されます。

お嬢様が全力でラップバトルする漫画「Change!」がいとおかし。現代版和歌=ラップバトルってまじかよ。

こんばんは、レペゼン漫画読みのぐっちPです。

 

新品の漫画に入っているチラシが好きです。

100万人のために歌われたラブソングなんかより、自分一人に向けられた一言の方が嬉しいもので、漫画のチラシはそのうちの一つだと思っています。

 

今月の新巻だったり、出版社の推し、今やっているフェア。

個人で漫画読みをやっているとなかなか新しいジャンルのものに手を出したり、情報を取りにいったりする機会が減るもので、チラシでの出会いはバカになりません。

 

今日はチラシで一目惚れした『Change!』という漫画について語ります。

既巻3巻までのネタバレを含みます。ご承知おきを。

 

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あらすじ

『Change!』は曽田正人先生が描く高校生の青春もの何ですが、題材はなんと『ラップバトル』

しかも、主人公はお嬢様高校に通う生真面目な女の子。

クラブで店員をしている同級生を、見回りの先生から逃すためにクラブに行くんだけど、そこでラップバトルの世界に引きずり込まれる。

主人公の実家は和歌の名家なんだけど、ラップバトルを現代版の和歌とも認識しているのが面白い。

 

こんな感じのあらすじですが、ラップを通して主人公の『MCしおりん』が成長する姿がいいんです。

 

下記のリンクから試し読みもあります。⬇️
kc.kodansha.co.jp

 

主人公、『MCしおりん』について

 

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私立鐘鳴館女子高等学校というお嬢様学校に通う去年栞(こぞのしおり)15歳。

風紀委員的な係をやっており、真面目な印象を受けるが、自分の言いたいことはしっかり言うタイプ。

負けず嫌いで、行動力は意外と高い。

 

校則違反をする同級生の倉田造酒(くらたみき)に注意をしたことがきっかけで、ラップバトルの世界へ飛び込んで行く。

 

お嬢様でラッパーってギャップがもう、いい。かわいい。

同級生がクラブで店員しているんだけど、

そのクラブに先生が見回りに行くって話を聞いてしまうんです。

普通のお嬢様が、そんなこと聞いても「クラブに先生が見回りに行くから隠れてね」とか言いに行けないでしょう。

でもしおりんは言いに行く。

パーカー被って、クラブに。

 

健気かわいい。

 

着いた先で同級生を見つけて助言するんだけど、その時の表情もギャップがあって最高。

 ミキを初めて注意した時に「フン、犬」と蔑まれたことに対しての仕返しでしょうか。

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四つん這いになってカウンターの下に隠れるミキにこの表情。

勝ち誇った顔かわいい。

 

おかげで無理やりラップバトルのステージに引きずり込まれるんだけど、初めてながら必死に韻を踏んで健闘する。

頭真っ白になって涙を流すような醜態は見せないしおりんはかっこいい。

涙は家に帰ってから。

 

和歌の名家ということもあって語彙が多くて、韻を踏むのが得意。すごい新人です。

自分がやり続けていたことが、別の形で花開くのもいいものですね。

 

真面目で、負けず嫌いで、勉強熱心なお嬢様の成長から目が離せない。

 

 

現代版和歌=ラップバトル?

 

ラップバトルが日本で始まったのは何年前でしょうか?

作中では『1980年代』と言っているラッパーの言葉を遮って、和歌でのやりとりがはじめ、つまり『1000年前から』だと言っています。(主人公の持論)

 

ラップバトルの起源ではないにせよ、言葉をぶつけて本気のアタックをする様は確かに似ていますね。

告白の歌に対しての返歌なんて完全にアンサー。

昔も今も言葉の持つ力や本質は変わらない。

ただ、形が変化しているだけ。

和歌2.0がラップバトルだと考えるとすごく面白いですね。 

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設定ではしおりんの家は日本有数の和歌の名家です。

ラップはお嬢様とは真逆の存在かもしれませんが、形は違えど、歌という形で自分の気持ちを伝えるラップバトルに魅力を感じるのは当然かもしれません。

今の所は家族も出て来ておらず、家庭の事情は分かりませんが、もしかすると名家でありながらも柔軟性のある家庭なのかもしれませんね。

 

和歌もラップも言葉をぶつけて自分の思いを伝える手段です。

独特で、難しく、美しい日本語。

形は変わっても人の心を動かす力は変わりません。

発信することで日本語と向き合う機会が増えたので、私も言葉をしっかり考えて使っていきたいですね。

 

刺さったセリフ

 

MCしおりんが初めてのバトルの時にディスしたことを対戦相手に謝るシーンがあるんだけど、とても印象的なんです。

対戦相手の『MCオーボエのセリフがいい。

 

「ラップなんて上手くても意味がない」と言ったことに対して謝罪しないと前に進めないと言ったしおりんに、4ヶ月後の高校生ラップ選手権で優勝しろと。

 

「そんなの無理です」と言いかけたしおりんに

 

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「無理じゃねーよ、死ぬほど大変なだけだ」と。

 

 

ゆっくり成長とか、将来的にとか。先延ばしはありえない。

大切なのは今何をするか。

行動しないうちからできないと決めつけてはいけない。

できないなんて当たり前。

 

人間、なんでも初めてから始まる。

「やらない」言い訳に「できない」を使うな。

 

ラップだけじゃなくて、何にでも当てはまるこの言葉が刺さる人は多いのではないでしょうか。

私も串刺しにされました。

 

無理だと思ったこと、無理だと言われたこと。

多くの人は心を折られて挑戦をやめてしまう。

 

しかし、彼らは限られた時間の中でアンサーを出していく。

言葉と向き合い、音楽に乗せて、思いの丈をぶちまける。

 

表現として、これほど情熱的で、刹那的で、美しいものはないかもしれません。

 

最後に

 

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言葉と必死に向き合い、頭脳を高速回転させながら、バトルを繰り広げる。

真面目なお嬢様が仲間と切磋琢磨して、高校生ラップ選手権を目指すこの漫画に背中を押してもらいませんか。

 

新しいことに挑戦することは怖いし、難しいことだと思います。

しかし、挑戦は今までの自分をアップデートして、新しい自分に出会う一番簡単な行動です。

失敗しても大丈夫。

上手く行かない方法が見つかるだけです。

 

さあ今から、始めましょう。

 

あなたの人生にいいChange!が訪れることを祈って。