漫画好きの読書感想文(仮)

読書感想文、書かないと罰金されます。

荒木飛呂彦の漫画術 感想

ジョジョの奇妙な冒険で一番好きなキャラクターは5部のプロシュートの兄貴。

兄貴は口を動かす前に行動することと、死んでも自分の責任を全うすることを教えてくれました。

こんばんは、マンモーニです。

 

不屈の名作、邪道にして王道、生きる伝説ことジョジョの奇妙な冒険荒木飛呂彦先生の「荒木飛呂彦の漫画術」を読みました。
今回はその感想になります。

 

 

●1ページ目を読ませる

荒木先生は新人の時に賞を取るため、編集者に読んでもらうため、読者に読んでもらうために様々な努力をされています。

ひとつは編集者に1ページ目を読んでもらうために売れている漫画の1ページ目を研究する、というものですね。

私自身漫画はよく読みますが多くの漫画を読んでも、「いろんな始まり方がある」としか思いませんでしたが、荒木先生はそこに共通点を見出だします。

舞台を分かりやすくするために5W1Hをはっきりさせ、「この漫画は他と違うな」と思わせる要素をいれる。

読者目線で分かりやすく、なおかつ他の漫画の焼き写しでない証明をする。

この本は漫画というツールで成功するための本ですが、あらゆるクリエイティブなことの真理なのかもしれません。

 

●漫画は何でできているのか

漫画はキャラクター、ストーリー、世界観、テーマでできている。

中でもキャラクターが一番大切でサザエさんや、こち亀両さんのようにキャラクターさえしっかりしていればストーリーは必要なかったりします。

ただ長年やっていると漫画の中の世界観が現実世界と乖離していき需要がなくなっていくことがあるので、そこらへんのアップデートをしていくことは必要です。

きちんとアップデートすることで長年に渡って人々に愛される、国民的漫画やアニメになっていくのです。

大切なのは漫画の構造をちゃんと理解しているのかにつきますね。

理解せずに売れても、もう一度再現することは難しいでしょうし。

 

「構造を理解する」を一発屋芸人の視点から話します。

芸人のブレイクの仕方は多々あれど、長年生き残る芸人と落ちぶれてしまう芸人がいます。

特に大きな花火を打ち上げて儚く散っていくいわゆる一発屋芸人。

消えてしまう原因のひとつに「なぜ今売れているのか分かっていない」というのがあります。

自分のキャラクターや芸に時世が合わさったときに初めて芽が出るものです。

その後、勢いだけで仕事をしているといつか世間に飽きられて露出が激減してしまいます。

一発屋と思われたのに今もしぶとく生き残っている芸人はキャラクターを変え、芸を進化させ、自分の需要があるマーケットに常に売り込みをかけています。

顕著なのは小島よしおさんや、オリエンタルラジオ

小島よしおさんはエンタ芸人から徐々にマーケットを子供に変えて大成功を収めています。

オリエンタルラジオは武勇伝を封印し、チャラメガネや賢いキャラクターで売り出し、パーフェクトヒューマンで音楽デビューし更にマーケットを広げています。本業の漫才も言わずもがな。

生き残った両方とも常に自分を活かせる道を歩いてきたと言えます。

生き残ることを構造で理解し、行動することができれば何度でも復活することができるんじゃないでしょうか。

 


●起承転結が基本、理解しているならあえて外してもいい

漫画の基本と言えばやはり起承転結ですね。

四コマ漫画は一コマ一コマが起承転結になっていることが求められますし、国民的テレビ番組、ドリフターズの「8時だよ!全員集合」も高木ブーからはじまり最後は志村けん(もしくは加トちゃん)で落としてましたね。

しかし、起承転結だけでなく、起承転転転転結でも成り立ちますし、初っぱなにラストを持ってくる結起承転というパターンでも成立します。

これは起承転結が必要ない、ということではなく、起承転結を理解した上で外すのはいいということだと思います。

売れているものには何が大切にされているかを見抜き、自分なりに模索していくことが大切です。

基本を知らずに応用はできないので、まずは王道から学んでいくことが成功への近道ですね。

 

最後にまとめです。

何事も自分が挑戦しているものがどんな構造で、どんなルールがあり、何をすればいいかを考えていく必要がある。
王道を外して成功することはあるが、王道を理解せずに成功することはほとんどない。
自分のしていることの本質がなにかを研究し、適切に行動し続けることが大切。

 

 

ジョジョの奇妙な冒険で成功し続けている荒木飛呂彦先生の言葉は重く、説得力があります。

漫画術ではありますが、根本的な考え方はあらゆるクリエイティブなことの真理かもしれません。

ジョジョのファンの方や創造力の必要な仕事をされている方には是非とも読んでほしいですね。